ロシア-サウジ石油利権、米国シェールオイルに宣戦布告

03.23.2020.

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FPI / March 13, 2020

By Paul Crespo

ロシアとサウジアラビアは現在、米国のシェールオイル産業を標的にした本格的な原油価格戦争の最中にある。ロシアは、コロナウイルスによる需要の減少による、価格を維持するために生産量を減らすOPEC +計画に従うことを拒否したことで、この戦争を数日前に引き起こした。

OPEC +は、サウジアラビアを中心とする石油輸出国機構(OPEC)の14のメンバー国と、ロシアを中心とする10の非OPECのメンバー国から構成される24の産油国から成り立っているが、ベネズエラまたは米国は加盟国には入っていない。この石油戦争は、わずか数日間で原油価格を30%引き下げ、米国の石油および株式市場に影響を与えた。

Rosneft chief executive Igor Sechin. / kremlin.ru

サウジアラビアのさらなる生産削減の要求はロシアによって反対された。これは主に、価格の引き上げは米国の石油およびシェールガス産業を支援するからだ。

フォーブスによると、サウジアラビアは石油業界の「非常手段に訴える核オプション」を行使し、「生産を劇的に増やすための蛇口を開いて最初の大規模な一斉射撃を開始しました。

「現在サウジアラビアが宣戦布告することにより、彼らは米国のシェールガスに対して、彼らはロシア先導しながら宣戦布告をしている。」とJBC エネルギー・グループ会長兼創設者であるヨハネス・ベニーニは月曜日にCNBCに語った

ただし、この話には他にもあります。これは昨年の、ロシアに対する米国の制裁と今年ではベネズエラの不法なマドゥロ政権を支援したロシアの石油コングロマリット、ロスネフチの子会社に対する最近の制裁に対する報復とも考えられる。昨年ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、ロシアが自ら選択した時期と場所で報復すると警告した。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ヘリマ・クロフトは、ロシアのロスネフチ石油の最高経営責任者であり、かつてロシアの諜報員だったイゴール・セチンを「ロシアとサウジが安い原油で世界をあふれさせる価格戦争を引き起こさせることによって、セチンは米国のエネルギーを独立させたシェールオイル生産者に損害を与えたいと考えている」とクロフトは聞いたとBarron’s 誌上で告発した。彼はまた、ベネズエラに対する最近の米国の制裁に対しても報復している。

また、米国は、ヨーロッパにロシアとのエネルギー市場競争と、モスクワのエネルギー輸出収入を抑制するための広範な戦略の一環として、シェールエネルギー部門を含む北米のエネルギー源から生産されるエネルギーを購入するように奨励している。ロシアは現在、それに反発している。問題は、この戦略が機能するかどうかだ。

ニコラス・グロヴデフ (Nikolas K. Gvosdev) は、The National Interest誌で「OPEC-Plusの取り決めを破壊し、サウジアラビアとの解体、ダービー価格戦争を引き起こすことは、奇妙で不可解な対応方法のように思えるかもしれないが、その狂気には方途があるのかもしれない。

クレムリンは、年末まで米国に反発するだけでなく、サウジアラビアとのパートナーシップを再構築できるというギャンブルをしているのだと思われる」と描写した。

フォーブスが指摘するように、皮肉なことに、サウジアラビアは以前、米国のシェール生産を破壊しようとして過剰生産で市場を氾濫させようとして失敗している。「ロシアはまた、この最新の石油過剰生産の結果が米国のシェール産出量を枯渇はさせるが、石油価格が回復するや否や生産量はすぐに戻ってくることは周知のはずである。それまでの間、ロシアとサウジアラビアの経済は、他の石油生産に依存している国の経済と同様にダメージを受ける可能性が大であるが、それは米国には当てはまらない。」

しかしながら、CNBCの報告にあるよう、「ロシアは変動通貨制であるが、サウジアラビアのリヤルは米ドルに固定されている」とMacro-Advisoryのシニアパートナーであるクリス・ウィーファー (Chris Weafer) は調査メモで述べている。 「それは、モスクワが最初に怯む可能性が低いことを意味し、さらに3〜6ヶ月間は怯むことはないでだろう。しかし、モスクワはサウジアラビアの財政状態はそれ以前にはるかに困窮するのではという見方をしているかもしれない。」

「両国の大きなターゲットは、米国のシェール生産を抑えることかもしれない」とウィーファーは言う。 ファイナンシャル・タイムズ紙 (The Financial Times)は、「米国シェール生産者は、高価格と一定の支出を必要とするビジネスモデルに投資する投資家の善意に頼っており、過去4年間のロシアのOPECとの協力による大きな受益者だった。」

「今週の石油価格崩壊以前にも、米国のシェール部門は、債務の増加、投資家の不満、破産リスクの上昇、生産成長の鈍化の見通しに苦しんでいた。」 と報じた。つまり、「米国シェールは、価格がわずか6〜12か月間落ち込んだとしても、歪みがで始めるであろう」とアナリストは言う。

ファイナンシャル・タイムズは、さらに米国の石油幹部がトランプ大統領にシェール生産者への財政援助の延長を働きかけたが、彼らのビジネスモデルは石油価格に対するロシアとサウジの支援次第であり、モスクワはその協力を今終わらせたばかりだと付け加えた。

長期的には、サウジアラビアもロシアも、財政的ストレスを引き起こすところまで石油戦争と戦うことはできない。しかし、湾岸協力会議(GCC)は「実質的な」外貨準備を有しており、「原油を一定期間安価に保つことは中東の国々を有利に置くことになる」とADSインベストメント・ソリューションズの上級執行役員であるライアン・レマンドは月曜日CNBCのキャピタル・コネクションで述べた。

「湾岸協力会議(GCC)はそのような戦略を1年間または2年間維持出来るであろうが、他はそれが出来ない。ロシアはこれをあまり長くは維持できないので、ロシアは数年前の時のようにOPEC +に戻ってくると思う」とレマンドは述べた。

フォーブスマガジンが指摘したように、米国は石油産業の活性化により、シェール部門で短期的な損害を被る可能性はあるにしても、安価な石油がより深く多様な経済に利益をもたらすため、最終的には勝者として浮上してくるであろう。

Paul Crespo: SPECTER Global Risk [http://www.spectreglobalrisk.com/] CEO, Free Press Media Group [http://freepressmediagroup.com/] ワシントン支局長。