香港独立運動の指導者アンディ・チャン (陳浩天) 氏ノーベル平和賞にノミネートされる

02.18.2020.

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World Tribune / February 16, 2020

香港の民主化運動の「最前線に立つ」若い指導者の一人が、2020年のノーベル平和賞にノミネートされた。

香港の中国共産党傀儡指導者たちによって、しつこく追跡され、迫害されてきた民主化運動の歯に衣を着せない代弁者アンディ・チャン・ホーティン (Andy Chan Ho-Tin: 陳浩天・29歳) 氏が、この度公式にノルウェイのノーベル委員会によって授与されるノーベル賞候補にノミネートされた、と自由インド太平洋連盟の副会長、石井英俊氏は2月6日の声明で明らかにした。

Andy Chan Ho-Tin’s Hong Kong National Party was banned by Hong Kong authorities who said the party was a ‘threat to national security and public order.’ / Sam Tsang

2018年8月の香港外国特派員クラブでのチャン氏のスピーチはすぐさま北京を刺激し、翌日には香港の最高行政官による声明が出された。中国共産党政権は、外国特派員クラブとチャン氏の双方を国家安全保障上の潜在的な脅威として非難した。

昨年春に香港で数ヶ月に及ぶ大規模な抗議行動が勃発し、政府が9月4日に一連の抗議のきっかけとなった逃亡犯条例の改正案の撤回を発表した後にも抗議は続いている。

「The Coming Collapse of China」(日本語訳「やがて中国の崩壊が始まる」:草思社 2001/10/1) の著者であるゴードン・チャン氏 (Gordon Chang) は、2月6日のサラ・カーター・ショー・ポッドキャスト (The Sara Carter Show podcast, ポッドキャスト: ラジオ番組やトークショーを提供しているウェブサイトから音声ファイルをコンピューターまたはiPodなどの携帯音楽プレイヤーに取り込んで聴くことができる) で、香港の人々は現在進行中の民主化デモは「現代の革命」を象徴していると話していることを指摘した。

「そして、その革命の最前線にいるのがアンディだ」とゴードン・チャン氏は語った。

加えてゴードン・チャン氏は、「アンディは重要だ。なぜなら、彼はデモの論理的な結論を代表しているからである。香港の人々は、中国が自治権を侵害し、自由を制限しようとしていることを認識しており、香港が自由で独立していない限り、北京は侵害を続けるだろう」と付け加えた。

すべての抗議指導者が同意するわけではないことを認めながらも、アンディ・チャンは中国からの独立を支持している、とゴードン・チャン氏は述べた。

日本で開催された保守政治活動協議会 (J―CPAC: Japan Conservative Political Action) での講演に向かう途中、彼は2019年8月31日に香港空港で逮捕されたが、会議に欠席しながらも声明文を発表した。

「私は今、あなた方全員がこの革命に参加するよう訴えています。私たちはあなた達を必要としています。…はっきり言いますが、これは香港人の革命であるばかりでなく、自由世界の革命、現代の革命なのです。私たちは今、21世紀、2019年という年に生きています。この世界に未だにこのような巨大な共産主義国家が存在していること自体がとんでもないことなのです。私たちの先人達によって終わらせる事が出来なかったことが私達の肩に重くのしかかっています。今こそ私たちが共産主義を終焉させるべき時です。今こそ私たち全員が革命に参加すべき時です。独裁政治が現実であるとき、革命が(我々の)義務となります。

チャン氏の指名を発表した2月6日のプレスリリースは、「彼は自分を香港人であると名乗りながらも、彼の祖国が独裁主義ではなく自由と民主主義の国になることを切望している」そして、彼の理念は「他の若い香港人の心に火をつけた。今日、香港の若者の約80%は、自分自身を中国人ではなく香港人だと認識している」と述べている。

2018年8月に香港外国特派員クラブで行われた物議をかもした演説で、チャンは北京を香港史上最悪の「植民地支配者」と呼んだ。彼は、中国は国家ではなく帝国であり、中国は世界中の自由人全てに取って脅威であると表現した。この彼のスピーチは、北京と香港の中国政府から即時の反発を促した。

北京の香港問題部長が、チャン氏によるスピーチと、彼にプラットフォームを提供している外国特派員クラブの決定は、国家安全保障における香港の「不十分さ」を露呈したものであると発言した翌日に、香港行政長官のキャリー・ラム(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor :林鄭月娥) 氏は、一つの警告を持って応答した。

ラムは、「政府と私は基本法第23条に基づいて国家安全保障を守る義務があり、国家安全保障を守るために、現地の法律を制定する必要がある」と発言した。

以前、2016年9月に、チャン氏は2016年の香港立法評議会選挙に立候補することを禁じられたが、これは香港史上初の資格剥奪であった。2018年9月、香港政府は、香港国民党 (Hong Kong National Party) の政治活動を禁止する命令を出した。

「アンディ・チャン・ホーティン氏の香港国民党は、1997年に英国から中国に香港を引き渡されて以来、香港で非合法化された最初の政党となった」とプレスリリースは述べた。「世界中からの政治的自由の擁護への抑圧に対する批判を受けながらも禁止は継続された。今日に至るまで、アンディ・チャン・ホーティン氏の政党以外に禁止された政党はない。」

チャン氏とその民主運動は、今も、公正な裁判の権利、陪審員裁判の権利、集会を開く権利そしてアイデアを交換する権利を含む、香港市民の基本的公民権を要求し続けている。

「香港警察と中国本土の治安部隊は、平和と民主主義を求める香港人の嘆願に対して、暴力、脅迫、大量逮捕をもって対応した。アンディ・チャン・ホーティン氏と彼の仲間の活動家たちは、30年前に達成しようとしたが天安門広場において戦車とマシンガンの銃弾によって阻まれた事を、香港において達成しようと決して屈する事なく戦い続けている」と声明文は述べた。

ノーベル賞にノミネートされたことに対してチャン氏は、「外国の友人や同盟国が、中国が自由世界に対する深刻な脅威であることを認識し、香港と共に立ち上がることを選んでくれたことを嬉しく思います。このノミネーションは、外国の友人達が私たちの価値、文化、アイデンティティーを認識し、私たちの主権を支持してくださるという意味において香港人にとって重要です。私たち香港人は香港の未来に心を開いて、私たち香港の未来を計画し始めるべきです。私一人がこのノミネーションに相応しいのではなく、香港の独立を支持して来た全ての方々、そしてそのために犠牲となった人達、そして何よりも自らの国の最前線で恐れることなく戦っている若者たちこそがふさわしい人達です」と語った。

チャン氏のノーベル賞へのノミネーションについて、調査ジャーナリストのサラ・カーター氏は2月6日のポッドキャストで、チャン氏は「文字通り命を懸けて中国政府に立ち向かっている」と語った。