トリー保守党の地滑り的勝利に、ジョンソンはブレクジット(EUからの離脱)を誓約し、トランプは(2020年米選挙戦勝利の)前触れを予見する。

12.16.2019.

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FPI / December 13, 2019

この木曜日、ボリス・ジョンソン首相と保守党は英国議会で大多数の議席を獲得したが、これによって来年1月末にはブレグジットが現実のものとなる、と述べた。

労働党の203議席に比して、保守党は英下院で365議席を獲得した。

British Prime Minister Boris Johnson addresses the nation after his Conservative Party’s huge election victory. / YouTube

その結果、保守党には「ブレグジットを成し遂げるための強力で新しい責務」が与えられたとジョンソンは述べた。

彼は党員へのメッセージで、「今夜のお祝いを楽しんで下さい。あなたがたはこのキャンペーンに力を与えてくれた。あなたがたなしではこの勝利は決して成し遂げられなかった」と語った。

ワシントンでは、ドナルド・トランプ大統領が記者団に、「ボリス・ジョンソンの素晴らしい勝利を祝福したい。前回がそうであったように、これは我が国にやがてやってくることの前触れのように思う。」と語った。

トランプは、ブレグジットが完了した後、両国が二国間貿易協定を交渉することができれば、ジョンソンの勝利が米国に利益をもたらすと期待している、と述べた。

ジョンソンは1月31日までに「ブレグジットを終わらせる」ことを約束している。

ウィンストン・チャーチルの孫で元保守党議員であったニコラス・ソームズは、この結果を「政治的に重大な転換期」と呼んだ。

ソームスは「この選挙は並外れた結果であり、このタイプのトーリー主義が極めて人気が高いことを証明している」とBBCに語った。

「この結果は、ブレグジットの第二段階に必要なすべての影響力をボリスに与える」と、ある上級保守戦略家は言う。

『ワシントン・イクザミナー』の政治記者ロブ・クリリーは「ブルーカラーの有権者が、この国の最も上流な学校で教育を受け、ラテン語の引用を好む男に率いられた党に投票するという伝統を見限ったことで、英北部のいたるところで、労働党の自慢の「赤い壁」が崩れているようだ。議席は次から次へと、労働党から保守党への二桁の変動を記録した」と指摘した。

労働党は1935年以来最大の敗北を喫した。この壊滅的な敗北は、ジェレミー・コービン党首の即時退任への要請を促した。

コービンの極左リーダーシップは、「党員の間における反ユダヤ主義と取り組むことに失敗し、彼のあからさまなテロリストグループへの同情は、党の大多数の伝統的な支持者の間で不人気であることが明らかになった」とクリリーは書いた。

漏洩した内部メモには、労働党候補者に対し、敗北はブレグジットのせいにして、労働者階級のコミュニティからの労働党支持者の声にもっと耳を傾ける時間を持つように約束するようにとの助言がされていた。

「敗北は圧倒的にブレグジットを巡る国内の分裂という一つの問題にあった。そして、殆どのメディアによって何度も繰り返された、ボリス・ジョンソンが ’ブレグジットにケリをつける’ ことができるということを国民に説得するという、トーリー(保守党)のキャンペーンであった。」とその内部メモには書かれていた。

ワシントン・タイムズのコラムニスト、ラルフ・Z・ハロウは、イギリスでの選挙結果は「マイケル・ブルームバーグにとって、また、別の理由で、ドナルド・トランプとあらゆる国のナショナリズムのチャンピオンにとっても素晴らしいニュースであった。」と指摘した。

「ブルームバーグが喜んだのは、もしも労働党がイングランド、スコットランド、ウェールズの主な民間企業を国有化するという約束で勝利を収めていたら、タックサホンタス(Taxahontas *)のエリザベス・ウォーレン、あるいはバーニー・ザ・レッド (Bernie the Red*)の指名により完全に忘れ去られてしまうであろう民主党を救うことが出来るのは自分しか居ないと主張する億万長者元ニューヨーク市長の意をくじくことになるからであろう。」とハロウは続けた。

「ここトランプランドに戻ると、過保護主義者のマイク(Nanny State Mike)

なのに、信じられないかもしれないが、バラク・オバマやビルとヒラリー・クリントンによる左翼中の左翼ともいうべき政党に代わって、穏健で良識のある政党という選択肢として出馬している」とハロウは言う。

英国の結果は、「EU残留を希望する保守党議員によって何年もの間引き延ばされてきたブレグジット、つまり英国のEU連合からの離脱、の実現を早めることを意味する。EUは共同市場として出発したが、不可避的に、ブリュッセルに本拠を置く一政府下の超同盟国という巨大な怪物になった」とハロウは指摘する。

英国民は「EUが英国を国境のない状態にすることによって、急進的あるいは未熟練の移民が他の28か国のEU加盟国に流れこむことを食い止めるすべがない、ということが大きな理由となって」離脱賛成に票を投じた、とハロウは書いている。

キャンペーン中に、ジョンソンは、移民、特に「来てもやる仕事がない」未熟練労働者の流入を「抑える」ことを公約した。

ジョンソンは、ポイント制を導入することで、誰がビザを取得できるかを決定するシステムを確立することを約束した。

「そんな制度があればの話だが、いわばこれはトランプ流のやり方である」とハロウは書いた。

ジョンソンは「トランプを理念・哲学の相棒のように受け止めており、大統領も意気投合している」とハロウは指摘する。

英国の消費者は「好きな輸入品の幾つかが止まることで、最初は苦しく感じるかも知れないが、英国は全般的に経済的独立を取り戻し、何を製造し、それをどのように作り出し、販売するかという独自のルールを作ることであろう」とハロウは言う。

*Taxahontas  (Tax-Pochahontas:タックサホンタス)

民主党大統領候補者の一人、エリザベス・ウォーレンは「富裕税」の導入を公約の掲げて出馬。

アメリカン・インディアンの血筋を引いているという虚偽が判明し、以来ディズニーの映画にもなった、ポカホンタスとあだ名で呼ばれて久しい。そこに更に「富裕税」(wealth tax)がプラスされて捩った造語

*Bernie the Red

共産主義信奉者と言われて久しい、民主党大統領候補者、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)のあだ名