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尖閣諸島、沖縄を中国から守るために、帰って来た日本の海兵隊

Geostrategy-Direct.com 日中の緊張の高まりが、第二次世界大戦以来見られなかった、日本の海兵隊による戦闘部隊の再編成をもたらした。 北京が離島を占拠するかもしれないという懸念から、2018年には、九州の佐世保に拠点を置く、地上軍としては初めての統一指揮下の下で、2,100人の水陸両用迅速対応旅団(ARDB)が結成された。 今年2月にカリフォルニア州キャンプペンドルトンで開催された2019年の鉄拳戦争ゲーム(Iron Fist war game)にARDBはAAV(水陸両用強襲車両)を伴って参加し、その後6月にはオーストラリアでの水陸両用の上陸演習に参加した。 「75年前であれば、300人の日本人海兵隊が、巨大な水陸両用無限軌道タンクでクイーンズランドのビーチに押し寄せる光景は、オーストラリア国家安全保障の壊滅的な後退の先触れとなったであろう」とセバスチャン・ロブリンはナショナルインタレスト誌(National Interest)の分析記事で書いた。「しかし、世界は第二次世界大戦後大きく変わった。日本の水陸両用高速展開旅団(ARB)の兵士は侵略者ではなく、オーストラリアの国土で隔年開催される2019年度国際タリスマンセイバー演習の参加者であった。」 ARDBの背後にある作戦コンセプトは何か? 「確かに、日本は中国が海上交通を阻止するために使用できる主要な太平洋諸島を占拠するかもしれないという懸念をオーストラリア、フィリピン、米国と共有している。しかし、日本の憲法は、同盟国の支援に駆けつけることを禁じている」とロブリンは書いた。「したがって、ARDBの目的は、日本の南西諸島が中国軍によって占領された場合に迅速に奪還するという限定的でなものである。これは、日本列島地帯が効果的に人民解放軍(PLA)海軍の作戦を封じ込めているため、米国とオーストラリアの利益に適っている。 中国本土からも日本の主要な島からもお互い200マイル以上離れた尖閣/釣魚島(前者は日本名、後者は中国名)を巡っては紛争が続いている。 一部の中国の学者は、沖縄県を含み、米国の主要な軍事基地の場所でもある、日本の南西にあり人口の多い南西/琉球島地帯も当然中国に属していると主張している。 ロブリンは、1930年代に日本帝国海軍が主に呉、舞鶴、佐世保、横須賀の海軍基地で特殊海軍上陸部隊(SNLF)の訓練を開始したことを指摘した。当初は非正規組織であったが、1941年までに、フィリピン、オランダ領東インド諸島、キスカとアツの米領アリューシャン列島、及びニューギニアで日本の水陸両用攻撃を先導する16個の大隊規模のSNLF連隊が存在した。 SNLFには落下傘部隊と戦車部隊が含まれてはいたが、それは主に軽歩兵隊であって、米国海兵隊に不可欠な機械化された上陸用舟艇に欠けていた。 第二次世界大戦後、日本の指導者たちは水陸両用戦争を基本的に攻撃的であるとの理解から、日本の自衛隊と平和主義的憲法には不適切であると考えた。遠方の島々をめぐる紛争に関しては、自衛隊(JSDF)は「海上輸送作戦」の概念を開発したが、それは敵軍が到着する前にそれらの島に部隊を急いで送ることであった。 新しい旅団は陸上自衛隊の西部陸上歩兵連隊から、エリート680人の軽歩兵大隊として2002年に形成された。 ARDBは現在、二組の800人の水陸両用急速展開連隊で構成されており、三番目の部隊は現在ユニットを3,000人に増強するために編成されているところである。支援大隊には、砲兵(120ミリRT迫撃砲)、偵察(小型空気注入式ボートの運用)、エンジニアリング及びロジスティック支援に特化した部隊が含まれている。 旅団の主要な支援部隊は、時速8マイルで船から海岸まで海兵隊員を運ぶことができる58体の巨大なAAV-P7A1水陸両用装甲車両で構成される戦闘着陸大隊である。32トンの“amtracs”「アムトラック(水陸両用トラクター)」は、それぞれ21部隊(殆どの最新輸送車の2-3倍)を輸送することができ、0.50口径の機関銃と手榴弾発射装置が密集している。ただし、アムトラックは装甲が薄く、米国海兵隊はイラクでその多くを失った。日本ではほとんどの南西諸島を取り巻くサンゴ礁を通り抜けるのに苦労するかもしない。 日本はまた、離島への空中降下のために17機のティルトローター機であるMV-22B Osprey(オスプレイ)を調達している。オスプレイは高価であり、その事故率の高さは日本国民による大規模な抗議をもたらした。「しかし、ヘリコプターの垂直離着陸能力と航空機のような、より高い潜在的範囲と速度を組み合わせたこのタイプの能力は、九州から日本の最南西部の島々までの距離が600マイル以上あることを考えると、重要な属性である」とロブリンは書いた。 MSDF(海上自衛隊)は1998年から2003年の間に委託された3隻のおおすみ型輸送艦、戦車揚陸艦(Landing Ships Tanks: LST)でによって、三番目に重要なロジスティック要素に協力している。これらの14,000トンの船には、最大1000人の兵士、またはタイプ16機動戦闘車両(Type 16 Maneuver Combat Vehicles)などの10体の大型装甲車両が詰め込まれている。内部の「ウェルデッキ」により、各LSTは日本の6つのランディングクラフトエアクッション(LCAC)のうち2つを発進させて、部隊をフェリー輸送することができる。日本はおおすみ輸送艦を改造してAAV-P7とMV-22の着手に取り組んでいる。 日本の海上自衛隊は、約12隻の小型LCM(Landing Craft Mechanizedー機械化された着陸船)と2隻のユーティリティ着陸船(LCU)をも保有している。陸上自衛隊は、海上自衛隊とは独立した独自の戦車揚陸艦の調達を提案し、資金に欠けてはいるものの、そのためのLSTデザインをウィンドウショッピングしている。 「必然的に、特に中国では、一部の人々は、水陸両用軍の復活を侵略の前兆と見做すであろう。しかし現実的には、東京は、多くの脆弱な島々への襲撃に対応するための適度な能力を開発しているにすぎない」とロブリンは書き記した。